橋本「日本製鉄」が喘ぐトリレンマ/大言壮語の「台所は火の車」

USS買収は財務を傷め、業績も上がらない。そこに中東情勢。三大後遺症がのしかかる。

2026年6月号 BUSINESS

「東南アジアや日本の鋼材市況にネガティブな影響が懸念される」。3月27日、日本製鉄社長の今井正(63)は兼務する日本鉄鋼連盟会長としての記者会見で米・イスラエルのイラン攻撃が及ぼす影響を問われ、こう答えた。中東の鉄鋼市場を席巻する中国製鋼材が行き場を失い、他地域に大量流入することで安値鋼材が溢れる国際市場が一段と混乱することを危惧した。

現金流出を避けたい経営陣

日鉄は2025年6月、141億ドル(約2兆円)を投じて米USスチール(USS)を傘下に収めた。同社買収を主導した日鉄会長の橋本英二(70)はアンチ中国の産業政策を有し、域内需要も旺盛なアメリカを新たな収益源にする考えだった。だが、サプライチェーンがボーダーレス化した昨今、世界の鉄鋼生産の55%を占める中国メーカーの影響を排除するのはこの中東市場の例が示すようにまず無理である。5月1日、日鉄株は前日終値から6円(1.1%)下げ、一時 ………

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